男として見られたい、男として生きていきたい
written by 匿名
僕はトランスジェンダーです。
大学を卒業して社会人になった時、できれば正社員として働きたいと思いながらも、就活を行うのが苦痛でアルバイトをする道を選びました。服装自由という企業のバイトや人前に出ずにすむ裏方のバイトをしたり、精神的な不調からニートをしたり繰り返していました。
その後、事務職として働こうと思っても女性として入社するには制服があったり、化粧をしないといけなかったり、お茶出しのような来客対応などがあったりしてなかなか応募できずにいました。応募して面接を受けても「化粧もしていない」と言われたこともあり、不合格が何度も続き働くことが怖くもなりました。
縁のあった会社で契約社員として事務職を始めましたが、1年、3年などの期限があり、契約社員として転職する度に、ここでやっていけるだろうかとしばらくビクビクして過ごします。もともと環境の変化に弱いため、新しい職場に慣れるまでには時間がかかります。
仕事をする中で、今のところカミングアウトをするつもりはなく、すごく気の合う人がいて仲良くなった場合には話しをしようと思っています。これまで何度か話したことはありますが、カミングアウトしても大丈夫という確証が得られないと話さないため、ほとんど肯定的な反応でした。
僕は昔からボーイッシュな格好をしていましたが、大学生の頃からは髪も短くなりどんどん見た目のボーイッシュさも増してきました。
そうなると、新しい職場に変わるとトイレですれ違った人に驚かれることが度々ありました。初めてそう言われた時は「相手を不快にさせてしまった」と自分が悪いことをしている気持ちになりましたが、今はそれもありつつ「男として見える人もいる」と少し嬉しい気持ちも持つようになりました。
僕としては男として見られたい、男として生きていきたいという気持ちが年々増しています。
周りからどう思われるのかという不安も常にありますが、それは親の理解がないというのが大きく影響していると思います。子どもの頃から、性別に関する親の否定的な言葉を聞いているのは僕にとってつらいことの一つです。
契約社員では収入が多くない上に奨学金の返済もあるため、僕自身が一歩踏み出せずにいます。歳も重ねてきて、社会人になったばかりの頃のようないろんな面からの気持ちの揺れもなくなりつつあるので、次回の転職のこと、自分らしくどう生きるかということを考えて、自分の進む道を決めていきたいと思っています。