保険加入機会拡充事業

株式会社ミニヨン（所在地：福岡県福岡市、代表：加藤 若菜）が運営するGID（性同一性障害）の方向け「GIDのための保険相談窓口」（http://gid-hoken.com/）との間で、「GID当事者でも生命保険・医療保険に加入できる」という認知を広めるとともに、多くのGID当事者が自分にとって必要な保険への加入を検討し自己決定できる機会を提供するため、「性同一性障害当事者保険加入機会拡充事業」において包括的提携を結んでいます。

 

これまで性同一性障害当事者のなかでは、ホルモン治療や性別適合手術などの身体治療を行っていたり、身体的治療を受けていなくても性同一性障害の診断を受けていたりする場合、民間の医療保険や生命保険には加入できないという理解が一般認識として広がっていました。
性同一性障害当事者であると代理店担当者にカミングアウトしたら保険加入を断られてしまったという話も、当事者間ではよく話題になります。実際には加入できた事例もいくつかあるものの、担当者の方との根気強いやりとりが必要であることがほとんどでした。カミングアウトしたくないとの思いなどから、最初から加入は無理と諦めてしまっていた方もいらっしゃるかもしれません。「性同一性障害当事者保険加入機会拡充事業」はこうした当事者の実状に有益な情報と機会を提供するために行っているものです。

詳細は「GIDのための保険相談窓口」にアクセスしてご確認ください。

※本提携において弊法人が担うのは、GID当事者だからと保険加入を諦めたり躊躇ったりしている方に、加入できる可能性があること、GIDについて理解ある担当者に相談できることについて、当事者らに情報提供を行うことです。

※実際の保険加入手続きなどは、担当者の方とやりとりすることになります。

※保険加入などに関しては各自でよく内容を見て必要性を判断するなどしてください。弊法人は実際の加入やその手続きについて責任を負う立場にございません。

■GID（性同一性障害・性別違和）と保険

GID（性同一性障害・性別違和）当事者の方々が性別適合のための治療・手術後の健康のために保険加入を希望しても、保険会社の窓口担当の方にGIDに対する知識が乏しいために、理解されずに門前払いされてしまうケースがあり、GID当事者の方々の中では大きな困り事となっていました。「当窓口では前例がない」「既にホルモン治療を開始していると加入できない」、「手術歴があると入れない」と言われ、保険加入を断念したケースが全国で散見されております。また保険会社へご自身がGID当事者であることをカミングアウトすることに抵抗があり、保険相談自体を躊躇ったり断念したりしてしまっているケースもあります。

■「GIDのための保険相談窓口」とは

「GIDのための保険相談窓口」では、株式会社ミニヨンと提携している、GIDの知識を有するファイナンシャルプランナーが保険相談を請けます。お問い合わせの時点でGID当事者または関係者であることが前提となるため、ご自身からカミングアウトする必要がなく、安心して保険相談を受けることができます。また、GIDについて正確な情報を持つ者がご相談を承りますので、治療歴があっても、診断書がなくても、ご相談いただけます。窓口から相談可能な時間帯を選んで申し込みをされた相談者に、ファイナンシャルプランナーが直接相談の連絡を行います。相談者に寄り添ってじっくりと話をすることができ、当事者自身も安心して相談が可能になります。

■GID（性同一性障害・性別違和）について

生まれたときの体の性別と性自認(自分の性別に関する認識)に不一致があり、それによって生じる違和感を抱く人を「性同一性障害(gender identity disorder, GID)」と呼びます。このような性別の不一致感から悩んだり、落ち込んだり、気持ちが不安定になったりすることもあります。また、体の性別の特徴を性自認に近づけるために性別適合手術を行う方も少なくありません。 性同一性障害については、まだ理解が進んでいるとはいえず、診断や治療ができる病院も多くはありません。（厚生労働省「こころの病気を知る」より抜粋）

■一般社団法人 gid.jp 日本性同一性障害と共に生きる人々の会代表 西野明樹より

昨今、LGBTフレンドリー宣言を掲げる企業が増えていますが、“LGBT”と一括りにされた取り組みやサービスのなかで、性同一性障害当事者があずかれる恩恵はほとんどないのが現状です。性同一性障害当事者ならではの事情や困難に沿ったサービスや取り組みの必要性を強く感じていたところ、当法人の賛助会員でもある株式会社ミニヨン様が、性同一性障害当事者のニーズをよく汲み取った企画をご提案くださいました。性同一性障害当事者に将来への安心と希望を与え得る事業のひとつとして、今後の展開に強く期待しています。

■この度の提携について

この度の包括的提携で、「GIDのための保険相談窓口」を、全国約1,600名のgid.jp会員の方々に情報提供などすることで、それを起点として多くの性同一性障害当事者に保険が加入可能なものであるとの認識を広めると共に、加入希望者には最大限のプライバシーを確保しつつ最適な保険に加入できる機会を拡充することによって、将来も安心できる生活向上支援の一端を担えることとなります。

■株式会社ミニヨンさま

弊法人と株式会社ミニヨン様との提携事業「性同一性障害当事者保険加入機会拡充事業」が、保険毎日新聞に取り上げられました（記者：森 隆 さん）。

（出典：保険毎日新聞 第18171号 2018年2月5日）

（出典：保険毎日新聞 第18172号 2018年2月6日）