「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」第三条第二項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令」に関する意見の募集に関しての要望書2004|厚生労働省
厚生労働省障害保険福祉部精神保健福祉課 御中
厚生労働省におかれましては、日頃より国民生活向上のためご尽力いただき感謝申し上げます。
さて、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第二項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令」に関する意見の募集が現在行われています。確かに今回の省令は「性同一性障害者の性別の取扱の特例に関する法律」で定められたように記載事項に関する省令であるということは理解いたします。
しかしながら、この記載事項だけでは、具体的に何がどのように記載されるのかが判然としません。性を変更しようとする私たち当事者にとっては、この診断書がどのように記載されるのか、また、記載に際してどのような診察、調査が行われるのかなど、その運用を最も懸念とするところです。内容によっては、家事審判において著しく不利になる可能性がありますし、また、診断を下す過程で当事者のプライバシーが侵害される事態が起こりえる可能性も充分に考えられます。
この運用、すなわち「記載要項」もすでに草案ができていると聞いております。そのため、今回の意見募集に書かれた内容は「記述事項」については書かれているものの「記述要項」については公開されていません。「記述要項」の部分も公開し、あわせて意見を募集してください。
また、意見は電子メール、FAXまたは郵送で集めることになっていますが、これでは実際の対象である私たち性同一性障害の当事者の声が充分に伝わるとは思えません。そのため、性同一性障害の当事者(または当事者団体)から直接意見を聴取する機会・場を設けてください。
以上、要望いたします。
平成16年3月8日
性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会
代表 山本 蘭
性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会
代表 山本 蘭