第8回


パートナーシップ法を考える

2014年7月、「性同一性障害者の性別の取扱いに関する特例の法律」が施行され、50名以上の方がすでに性別の変更を終えました。しかし、特例法では「現に子がいないこと」「現に婚姻していないこと」などの要件がつけられ、性別変更したくてもできない人が数多く存在します。そのため、私たちはこれらの要件撤廃を強く求めています。
要件の中で、「現に婚姻していないこと」は、同性婚状態になることを避けるために設けられた規定です。ですので、この要件を撤廃するためには同性婚の実現を図ることを考えていかなければなりません。また、形式的に離婚するという選択をした場合には、その後のパートナーへの法的保護についても考えていかなければなりません。そしてすでに性別変更した方でも、相手への気遣いなどで結婚にまで踏み切れない方もいます。社会的にみても、婚姻していないカップルや、一人暮らし老人の増加など、家族制度や結婚 のあり方そのものについても変わってきています。このようにいろいろな意味で、性同一性障害の当事者にとっても、パートナーシップ的な枠組みを考える必要性は高まってきているように思います。
そういう意味で、私たちもこの問題には無関心ではいられません。
しかし、残念ながら同性愛の方々に比べ、私たちは同性婚やパートナーシップ法については、まだまだ不勉強です。こうした意味を含め今回「パートナーシップ法を考えるフォーラム」を企画いたしました。小金井フォーラムⅠは、「性同一性障害特例法」が成立する大きなきっかけの1つになりました。パートナーシップ法に関しても、このフォーラムが1つの契機になれば幸いです。

日時 2004年12月19日(日)14時00分~17時30分
13時30分開場
場所 小金井市商工会館2F
(東京都小金井市前原町3-33-251)
定員 100名(定員になり次第締め切る可能性があります)
参加費 1000円
内容 第一部:14時05分~15時35分
「ドイツ・オランダ・ベルギーにおける同性婚とパートナーシップ法事情」
渡邉 泰彦 先生(東北学院大学法科大学院 助教授)
第二部:15時45分~16時45分
「日本における同性婚・パートナーシップ法に対する取り組みの経緯と今後、当事者の思い」
赤杉 康伸 先生(東京メトロポリタンゲイフォーラム 共同代表)
土屋 ゆき 先生(レズビアン活動家)
第三部:16時45分~17時30分
「質疑応答」
講師 渡邉 泰彦 先生(東北学院大学法科大学院 助教授)
1969年京都生まれ。最近では、同性カップルの法的保護と婚姻の問題についてヨーロッパ、ドイツを中心とした比較法的研究を行っている。ドイツの生活パートナーシップ法の紹介の他、スイス、オランダ、ベルギーにおける同性カップルの法的保護の状況などを紹介してきた。2003年に(財)民事法務協会からの委託でドイツの生活パートナーシップ法、性転換法、婚姻法等の現地調査を行った。『同性登録パートナーシップ』を成文堂よりまもなく刊行予定。
赤杉 康伸 先生(東京メトロポリタン ゲイフォーラム(TMGF)共同代表)
1975年札幌市生まれ。HSA札幌ミーティング所属を経て、上京後の2001年5月に東京メトロポリタンゲイフォーラムを創設、現在に至る。また、2001~2003年の3年間、「レインボーマーチin札幌」の実行委員を務める。現在、All About Japan 同性愛サイトにて、『赤杉康伸のごく私的☆政治観測』を連載中。2014年7月、土屋ゆき氏、筒井真樹子氏と共編著で『同性パートナー 同性婚・DP法を知るために』(社会批評社)を出版。
土屋 ゆき 先生(レズビアン活動家)
1969年生まれ。1996年からレズビアン、バイセクシャル女性向けミニコミの編集に関わる。その後、2001年東京レズビアン&ゲイパレード実行委員を務める。02年5月「DP法/同性婚の可能性を考える女性の会」を組織、代表となる。2003年7月辞任。2003年8月「同性間パートナーシップの法的保障を考える有志ネットワーク」呼びかけ人。2004年7月「同性パートナー 同性婚・DP法を知るために」共編著にて上梓。ブログ「鬼レズはマッハで走る」運営中。
参加資格 関心のある方どなたでも
※本フォーラムは一般公開です。マスコミ関係者が来場するため、一般市民の方、性同一性障害当事者の方は、各自でプライバシー保護にご注意ください。
※取材を希望の方は必ず事前にメールにてお問い合わせください。
参加申込
方法
以下を記入したメールを送ってください。
1、参加者のご氏名(通称名可)
2、参加人数
マスコミ
関係者各位
*会場で、マスコミ関係者専用受付を行ってください。
*撮影は壇上のみに限定してくださるようお願いいたします。
*参加者に対する取材は、原則お断りいたします。
* それ以外の取材につきましては、事前にお問い合わせください。
主催 性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会